公共交通機関の中などでメイクをする女性について、自分がメイクアップする年齢になった頃から時折考えていました。これまで私が最も多く見かけたのは電車の中、ついでカフェや喫茶店の席でしょうか。
誰にも迷惑を掛けていないからいいという意見と、みっともないからやめた方がいいという意見、どちらもよく見かけます。確かに、匂いが強い化粧品を使ったりしていない限りは周囲に迷惑を掛けることはあまりないでしょう。移動時間や空いた時間を効率的に使っているとも言えます。
その一方で、マナー違反であることも確かではないかと思います。例えば、会社の上司や取引先の人、婚活の相手などと一緒に電車に乗っている時あるいは乗り合わせる可能性がある時にするかといえば、しない人がほとんどではないかと思います。あとは、朝メイクする時間も取れない時間にだらしない人というイメージはあると思います。
私自身は外では化粧室以外でメイクや化粧直しをしたことがないですが、それは私がずぼらというのかしっかりメイクアップすることがあまりないからかも知れません。若い頃から、食事のあとのリップメイクを除いて仕事中や休憩時間の化粧直しもしないです。化粧道具を沢山持ち歩くことも面倒に感じます。
賛否は置いておくとして、どんなに美しい人でもメイク中の顔は目を剥いたりしてお世辞にも美しくはないです。何よりも、鏡を凝視してキメ顔をして念入りに仕上がりを確認したりしているのを見ると、どういう訳か目にした方が恥ずかしくなってしまいます。自分もそのようなことをする時にはきっとそんな顔をしているのだろうなと思うからなのでしょうか。
そのように他人の行為を見て自分が恥ずかしくなることを、「共感性羞恥」ということを最近知りました。そもそも人中では、よほど目立つ人を除いて、誰も人の顔など大して気にしていないどころか見てもいないのです。それどころか、職場の人でさえもおそらく私の外見などろくに見てはいません。だから人前でじっと鏡を見つめるという行為には、何というのか無防備な自己愛が垣間見えるので私にとって恥ずかしいことなのでしょう。
公共の場でメイクアップをする人は、おそらく自分がどう見られるのかにとても敏感なのでしょう。そして、これもよく言われることですが、目的地で自分を見る人にとって綺麗であれば良くて、途中の乗り物で自分を見る人にはどう思われようが構わないという心理があるのだと思います。
もちろん私の年齢もあるかも知れません。若い人にはあまり抵抗感はないのでしょう。あるいは若い女性なら許されても、中高年女性だとみっともなさが増すような気もします。
いずれにしても、私にとっては着替えと同列の行為であるのと、誰かに「あの人はいつもこうやって化けているんだ(笑)」「その顔ではそんなに必死に化粧してもあまり効果はないのに」などと思われる方が嫌なので、これからも公共の場でメイクすることはないだろうと思います。
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