30年くらい前のことですが、当時近くに住んでいた伯父の家に呼ばれて行った時、伯母に吐き捨てるように「あんたは秘密主義だから」と言われたことがあります。その時何の話をしていたかは忘れてしまいましたが、その時の伯母の非難がましいというか嫌そうな顔だけは覚えています。
確かに私は、何でも自分のことを話すタイプではありませんでした。ですが特に伯母に対してそうだったというのではなく、誰に対してもそうでしたし今でもそうです。わずかにいる親しい友人にも、あまり自分のプライベートなことは話していないと思います。
それは、私が発達障害(ASD)であることと無関係ではないような気がします。そもそも人と話をすること自体が苦手で、自分や相手を含めた人間の感情が苦手(わからない)ときたら、自分の心の中にあることをペラペラ話すようになる筈がありません。
以前にも書いたと思いますが、特に苦手なのが女性同士の雑談というのかおしゃべりというのか井戸端会議というのかその類のもので、もっぱら聞き役になっていられたらむしろ安心するといったところです。ただ、ふと何かの拍子に長い沈黙が訪れると冷や汗をかいていたたまれなくなるというか、必死で話題を探してみたりもするのですが、そんな時にも自分のことを話すなど思いもよらない感じです。
何故かというと、それは自分の心の中にあることは他人には伝わらないし、そもそも他人にとってはそんなことは伝える意味も価値もないとどこかで思っているからだという理由なのですが、そのことには最近気付いたというか、言語化できた感じです。
伯母の言った秘密主義というのは的外れな指摘だったので、30年くらいどうして自分はこんななのかということをずっと考えていましたが、ASDだからではないかということがわかって納得できた感じです。
それに加えて、つまりは何というのか自分の中の劣等感、無価値感のようなものがそうさせているのですが、伯母には真逆に捉えられていることが不本意だったので、伯母の言葉をずっと覚えているのだと思います。
伯母は女同士でいろいろおしゃべりがしたかった(詮索好きな一面もある人ですが)のに、私があまり話さないのでかわいくないしつまらなかったのでしょう。
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