以前は毎年初秋になると、どこか遠くに行きたくなりました。
空が遠く太陽が激しさをなくす頃になると、どこかに行きたくてたまらなくなっていました。
お金がなかったので、そんな時にはひたすら歩きました。場合によっては、目的地の一駅前で降りてわざわざ歩いたり、電車で行くところを何時間もかけて徒歩で行ったりしていました。
どこかに行きたいのは確かなのですが、特に行きたい場所が決まっている訳ではなかったので、どこでもよかったのだと思います。
ふと気が付くと、秋になってもそのような思いにとらわれなくなっていました。
どこかに行きたかったのではなく、当時の自分は家を出たかったのだと最近になってわかりました。両親と住んでいる頃で、家に居場所がなかったからです。
なぜ、それが初秋限定だったのかは今でもわかりません。
ともあれ、京都に居場所を見つけたので、今はどこでもいいからどこかに行きたいと思うことはなくなりました。
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