オリジナルラブの田島貴男さんを好きになってから、もう25年以上になります。
この人は変わることが特徴というのか、アルバム毎にガラッと傾向が変わります。そのためかどうかはわからないのですが、この人の楽曲は古びないです。
色々なことにハマってはとことん追求する人で、最近はフィルムカメラで写真を撮影されていますが、表現力にはっとさせられます。
この人を見ていると、何というべきか回転するコマが倒れない理由がわかるというのか、とてもバランス感覚が優れた人だと感じます。
たまたまライブ会場が神戸の自宅のすぐそばで、まだほかに誰も来ていない時間に到着したことがあるのですが、一人怖いくらいに真剣な顔でギターを抱えてリハーサルをされていた様子が忘れられません。
鬱から立ち直りかけていた頃にライブDVDを見ていて、若い頃苦しい時によく聴いた曲を観客が一緒になって歌っているシーンで涙が止まらなくなったことがありました。自分は長い間一人で頑張って来たつもりだったけれども、本当はずっと一人ではなかったことがわかった、というような。優れた音楽にはそのような力があります。歳のせいで涙もろくなっただけかも知れませんが…(笑)。
このごろよく聴いているアルバムは「街男街女」「東京 飛行」です。彼には珍しく破綻すれすれの感じがするところが気になって何度も聴いてしまいます。一番好きなアルバムは「ムーンストーン」ですが、最も完成度が高いのは「風の歌を聴け」だと思います。「L」も好きでよく聴いたアルバムです。
最近はアルバムに聴く人を励ますというのか労るというのか、そんなメッセージ性の高い曲をポツッと入れていることが多いのですが、人柄のあたたかさと感性のしなやかさを感じます。
Comments