「今の自分には、幸福も不幸もありません。ただ、いっさいは過ぎてゆきます。」
うろ覚えですが、高校の頃に読んだ太宰治『人間失格』のラストの文章にこのようなものがあったと思います。
私は彼ほど苦しんだ訳でもないですし彼のような文才がある訳でもないのですが、この心境は痛いほどよく分かります。
あまりに苦しい経験があると、ある時点で苦しみを通り越してしまうのです。
ただ感情が摩滅するのです。
親族関係で、職場関係で、自分の大切にしていることで、身体の問題で、ほぼ同時期に自分にとっては価値観の底が抜けるような、自分の存在の根底が揺るがされるような経験をしました。
苦しいなどというものではありません。
ですが、突き抜けてしまったのです。
心底、すべてがどうでもよくなりました。
やけになった、というのでもない。
ただただ、感情がない状態。
それから、思い立ってツイッターを再開してブログを書き始めました。太宰の終着点からの出発です。
そこから出発して、果たしてどこに行くのか行かないのかは、自分でも分からないでいます。
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