フルーティシプレの記事の番外編です。
ノンブルノワール(資生堂/セルジュルタンス、1984年)
- トップ:アルデヒド バリサンダーローズウッド コリアンダー マジョラム ベルガモット
- ミドル:ダマスクローズ オスマンサス カーネーション ゼラニウム オリス リリーオブザバレー ジャスミン イランイラン
- ベース:ハニー ベチバー サンダルウッド ムスク トンカビーン アンバー ベンゾイン (Fragrantica より)
調香はジャン=イヴ・ルロイとセルジュ・ルタンスで、ルロイは2004年に自殺で世を去りました。それに加えて推測ですが、原料のムスクは今はもう使えない動物性のものということもあるようで、その名の通り廃番(Nombre Noir)となってしまった香りです。
ですがいまだに世界的に熱烈なファンの多い香りで、名前を聞いたことがある人も多いのではないかと思います。資生堂が販売していたこともあって日本では海外より安価で購入出来ますが、それでもかなりのプレミアがついています。
香りの系統としてはフローラルシプレですがムスクが強いです。資生堂のムスクには肌に密着するような感じがするという特徴があると思うのですが、資生堂のいくつかの香り(沙棗や花椿など)のいいところを集めたような、肌そのものが香るようなしっとりしたたおやかな香りです。その一方でダークでミステリアスな面もあり、一度嗅いだら忘れられない香りではないかと思います。
初めてこの香りを嗅いだ瞬間、心を持っていかれたというか心が囚われてしまいました。
この美しい香りがもう作られていない、というのは実に残念なことです。
画像左がオードパルファム、右がパルファムです。それぞれ黒い六角柱のスプレーボトルもあり、とてもシックです。
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