人を見た目で差別することをルッキズム、年齢で差別することをエイジズムということを最近知りました。これまであまり聞かなかった言葉です。
ですが、どんな人にもルッキズムはあって、見た目がいい人はそうでない人より統計的に高い収入を得るという傾向があるということが、以前読んだ本に書いてあったと思います。
一方エイジズムは主として女性が年齢で差別されることを表していますが、それだけではなくて「老害」という言葉が示すように、権力などに執着する高齢男性もエイジズムによって排斥される対象ではないかと思います。
以前も書いたのですが、相手の性別や年齢は重要な情報なので、人間には瞬間的に相手のそれらを認識する能力があると思います。例えば、特に意識しなくても街中でもすれ違う人の性別・年齢を誰もが識別している。年齢は、顔だけではなく頭髪や体型、姿勢などからわかるので、遠くても後ろ姿でも判別出来ます。今はマスクをしている人ばかりですが、性別と年齢がそれで判別出来なくなるという感じもしません。生物としての人間にとっては、それくらい重要な情報なのでしょう。
そして、人間の顔などの美醜も、特に意識しなくても誰もが認識するようです。なお、美しさの要素にはシンメトリーが関係するらしいのですが、完全に左右対称・シンメトリーの人はいないので、シンメトリーからどれくらいどんな感じで逸脱しているかを、無意識に人は見ているのではないかというようなことをどこかで読みました。簡単に言ってしまうと、人間に限らず生物はシンメトリーな個体の繁殖力が強いのでそれが美しく見えるように進化したようです。
また、ルッキズムの否定は人類の芸術の歴史の否定につながります。
人を外見で判断することを批判するのは簡単ですが、外見が判断に与える影響を見積もったり、自分でそれを意識して排除したりすることはとても難しいと思います。
ただ不思議なもので、若い時・若い人の顔には美醜だけしか判断材料がなくても、歳をとった人の顔には徐々に情報が追加されるような気がします。その人の内面が顔に現れる、ということなのでしょう。
よって、ルッキズムとエイジズムは手に手を取って進む。
それを批判出来るのは、生まれつき目が見えない人に限られるような気がします。
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