30歳になるまで東京に住んでいましたので、自動車も免許も持っていません。
18歳になったときに免許を取りたいと思ったのですが、父に拒絶されて取らないまま機会を逸し、この年齢になってしまいました。
父が許さなかった理由はただ一つ、免許を持っていると自動車を持っていなくてもハンドルを握りたくなるからというものでした。
そして、ハンドルを握るすなわちイコール事故を起こす、という思考回路のようでした。
神戸に引っ越してから困ったのがそのことで、公共交通機関が不便なところに勤めたため、車だとほんのちょっとの距離なのにとても時間がかかってしまうことがストレスでした。
また、坂が多く自転車があまり役に立たなかったため、日常的な買い物にも不便な思いをしました。まだネット通販がそれほど発達していなかった時期でしたので、重い荷物を抱えて坂を登り下りする毎日でした。
確かに都内に住んでいる分には車はいらないので、娘が地方で就職する可能性を考えなかったからといって父を責めるのは間違っているのかも知れません。
ですが、運転しないからといって事故と無縁になるかといえばそうではなく、交差点で青信号を右折してきた車と私の自転車が接触する事故に遭ったことがあります。車の前方不注意で、幸い軽いムチウチで済んだもののいつまでも痛みが取れずに困りました。
いくら自分が気を付けていてももらい事故の可能性はゼロではないので歩行者はもらい損なのですが、利便性を取るのか安全を取るのかという問題は、例えば原発問題のように常に社会につきまとう問題だと思います。
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