私は花粉症で、鼻中隔湾曲症の手術をする前まではずっと抗ヒスタミン剤を耳鼻咽喉科で処方して貰っていました。
何年か前に、私が飲んでいる処方薬と同じ成分の薬がドラッグストアで購入出来るようになったということを知り、店舗に行ってみました。価格を見ると、健康保険(3割負担)を使って病院に通った方が診察費込みで計算しても安価な価格に設定されていたので、心から失望しました。
つまり、その薬の一般販売によって病院が「客」を失うことのないようになっていた訳なのです。
さらによくない点は、患者自身は病院に行けばドラッグストアで薬を購入するより得なのですが、それは健康保険で残りの7割をまかなっているということによってそうなっているのです。つまり、そのコストは一般の健康保険加入者が負担しているということになります。
要は患者本人でなく健康な人による負担が残ったままという点で、ドラッグストアで販売するメリットが失われているのです。
では、耳鼻咽喉科でどんな「診療」が行われているのかというと、アレルギーを治すことは出来ないので、結局薬の処方以外のことはあまり出来ないと言っても過言ではないと思います。私自身は曲がった骨を削る手術をしましたが、それに至るまでに何年も病院をたらい回しになっています。その中には先端医療をするという建前の大学病院も含まれています。
健康保険組合のほとんどは赤字で、税金で穴埋めをしています。医師の既得権益を守るためどれほど税金使うべきかは私には判断はつかないですが、新型コロナウイルスの件を見ていても感じるのは、他のこととのバランスを失しつつあるのではないかということです。
もちろん医師も病院も慈善事業ではありませんが、規制産業のメリットをこれほど享受している業界は他にないでしょう。規制するならするで、質を担保する社会的責任があると思うのですが、そのような姿勢があまり見られないことが残念です。
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