フルーティシプレに関する投稿・番外編です。こちらはフローラルシプレに分類されていますが、ソーピーな石鹸系の香りの元祖ともいえるものです。
イヴォワール(ピエール・バルマン、1979年)
- トップ:アルデヒド カモミール ガルバナム マリーゴールド アサフォティダ アルテミジア ベルガモット レモン バイオレット マンダリンオレンジ
- ミドル:オリスルート カーネーション ナルシス ナツメグ アイリス ペッパー イランイラン ターキッシュローズ ジャスミン リリーオブザバレー ネロリ シナモン ラズベリー
- ベース:オークモス ベチバー サンダルウッド インセンス パチュリ ラブダナム ムスク トンカビーン アンバー バニラ (Fragranticaより)
70年代のグリーン系フレグランスの進化系ともいえる香水で、調香はフランシス・カマイルとミシェル・ハイと記載されています。フランシス・カマイルはアニック・グタールのオーダドリアンなど、ミシェル・ハイは以前投稿したイグレックやニナリッチのファルーシュなどを調香しています。
香料を見るととても数が多く複雑な香りなのですが、どれが突出しているというのでもなくすべてが一体になっているというのか、イヴォワールの香りとしか言いようのない香りになっています。
名前の通り象牙色というのかアイボリーカラーの石鹸を思わせる香りで、今の時代の石鹸系のフレグランスはムスクが強いものが多いですが、イヴォワールはあまりムスクを感じ取れません。今どきのソーピーな香りよりはトップミドルベースの変化が大きく、シプレ感もあると思います。ミスディオール(オリジナル)にイメージが似ていますが、ミスディオールほどゴリゴリのシプレ感でもなく、ソフトな感じです。
私自身にはアルデヒドが時代を感じさせてしまうのですが、古い香水の香りを知らなければむしろ新鮮な香りと捉えられるかも知れません。
廃番になってしまい、eBayなどでは結構高値がついているフレグランスです。何年前に復刻されましたが、オリジナルのこの香りとは少し違ってしまっていると思います。
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