重荷

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鬱になると、ほんのちょっとしたことが出来なくなってしまいます。

例えば脱いだ服を畳むであるとか、歯を磨くであるとか、健康な人にとっては何でもない些細なことがなかなか出来なくなります。面倒臭いというのとは違っていて、したくてもエネルギーが出ないのです。

ですので仕事は別としても、健康な人でも少し負担に思うようなこと、例えば期限までに役所に書類を出す必要があったりすると、鬱の時にはとてつもない心の重荷になってしまいます。かと言って重荷ならさっさと済ませればいいのですが、それも出来ないのです。

当人は何故出来ないのかわからないまま途方に暮れたり、出来ないでいる些細なことがたまってずっと気になっていたりあせったりしているのですが、そんな状態がますますエネルギーを奪って悪循環になります。

私は発達障害もあって、デスクには地層のように書類が重なっていますが、不思議と置いた場所は記憶していたりします。ですが鬱の時には記憶力もなくなるので、例えば同じ本を2冊買ったり、何時間もなくしたものを探してヘトヘトになったりもします。

ほんの些細なことなのだから出来なくなっても大したことはない、と思われるかも知れませんが、日常生活はその積み重ねと繰り返しで出来ています。

鬱の人は、第三者からは一見ぼーっとしていたりぶらぶらしたりしているように見えても、心の中にそんな重荷がどっかりと存在しています。

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