ウィリアム・サローヤンの『パパ・ユーア・クレイジー』という小説があります。
両親が離婚して、父の家に引き取られた息子と父の暮らしについて書かれたものです。作家の実体験がもとになっているそうです。
父親は息子を個人として尊重し、大人として扱います。ベタベタすることもなく、かといって突き放しているのでもない。
訳文とあいまって、とても理想的な親子関係ではないかと思っていました。
ですが、息子のアラム・サローヤンが『和解』という小説で、父親との確執を書いていることを知り、仮に父親にとって理想的な親子関係であったとしても、息子にとっては必ずしもそうとはいえないのではないかと思いました。
あるいは、この物語は作家自身の理想、まったくのフィクションであったのかも知れません。
何よりも、とても簡潔で美しい文章なので自分で訳してみたいとも思っていました。日本で出版されているものは、意図的に読みにくくしてあったこともあります。
いつか時間があればトライしたいです。
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