縁組

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昨日の続きです。

零細企業を一緒に経営していた伯父に我慢が出来なくなり、父は会社を飛び出して親子3人で母の実家に引っ越しました。そこに約6年いたのですが、まったく音信不通であったのではなく、例えば私と伯父は頻繁に手紙のやり取りをしていましたし、伯父は何度も私の顔を見にやって来ました。

私が中学3年になった頃、伯父は心臓病の発作を起こすようになりました。それがきっかけで、子供がいない伯父夫婦と両親は養子縁組をして、父はその零細企業に戻ることになりました。

私はその場にいなかったので、彼らがどんな話し合いをしたのかは知りません。ですが、父の言い分では伯父がそのように折れて出たので戻ってやったのだということです。

伯父夫婦は気難しいというようなことを書きましたが、例えば弟である六男夫婦といさかいをして絶縁した場面に当時大学生だった私もいて、今でもはっきりとそのやりとりを覚えています。弟にほんの少しプライドを傷つけられる言葉をかけられただけで簡単に絶縁してしまい、のちに弟が先に亡くなっても葬儀すら行かずじまいでした(弟は弟で相当激しい性格ではありました)。伯父だけでなく、伯母も自分の兄と似たような経緯で絶縁しています。

そんな伯父夫婦が折れたので、父も戻る気になったのでしょう。伯父が利益を分けなくても、伯父が亡くなれば自分のものになるという計算があってのことです。

それまでは子供だったためほとんど気付かなかったのですが、彼らの金銭に対する執着心には凄いものがあったと思います。

田舎の8人兄弟の三男と末っ子で、敗戦のため家には財産もなく、あっても長男がすべて相続してしまったので、食べるために上京したという環境にも原因があったと思いますが、それだけでは説明がつかない感じです。

父が戻ってからも、会社の金銭管理については何も変わらないままだったそうです。

明日に続きます。

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