かなり前のことになりますが、一時期ネットオークションを頻繁に利用していた頃がありました。
何を売買していたかというと、香水や音楽CDなどです。好みが変わってしまってもう使わないものを、誰かに使って貰えるのは嬉しかったです。逆に、好きなのに製造中止になってしまった香水(香水については、リフォーミュラを含めてこのようなことが多いです)が入手出来たことも嬉しかったことの一つです。何人かの香水好きの人と親しくなることも出来ました。
ですが、当時は取引に関する情報のやりとりなどがとても面倒だった記憶があります。また、特段トラブルは経験しなかったものの、欲しかった品を落札してみたら保管状態が良くなかったりとあまりいいとは言えない経験もしたため、いつしかネットオークションは利用しなくなりました。
新型コロナウィルスのパンデミック以降、マスクや消毒液などの高額転売が問題になっていましたが、それは供給より需要が多く市場原理が働いてそうなっているので、私自身は規制にあまり肯定的ではありません。ネットオークションの経験がそう思わせるのかも知れませんが、高騰した価格でも買いたい人がいるならば、それは正当な取引ではないかという気がします。
私の頭の中でだけのことかも知れませんが、このことは先日の東京女子医大のスタッフが、新型コロナウィルスの影響で病院経営が赤字になり、夏のボーナスがなくなったためストライキをしたという報道につながります。
人の健康や命に関わるマスクの転売がダメなら、このストライキもダメという結論になる筈ですが、マスクの転売は悪、医療スタッフはかわいそうという正反対の見方で報道されていました。
どちらもコロナという人の不幸を商売(というと語弊があるかも知れませんが)にしているという点で同じで、しかも診療報酬の方は政府によって価格統制を受けている(日頃は「儲け」が政府によって保証されており、想定外のコロナでたまたま赤字に転んだだけ)にも関わらずです。
白衣の天使と悪徳転売屋のイメージがあるのでしょう。
人は、理屈ではなくイメージで物事を判断するものなのかも知れません。
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