そして、フルーティシプレと言えばエドモン・ルドニツカの作品をあげない訳にはいかないと思います。
①ファム(ロシャス、1944年)
- トップ:プラム ピーチ シナモン アプリコット ブラジリアンローズウッド ベルガモット レモン
- ミドル:クローヴ カーネーション イランイラン ローズ ローズマリー アイリス ジャスミン
- ベース:オークモス レザー ベンゾイン アンバー パチュリ ムスク バニラ (fragranticaより)
ファムは第二次世界大戦中に調香・発売されたものですが、アンフォラ型というのか上下がくびれて真ん中がふくらんでいるパルファムのボトルを見たことのある人も多いのではないかと思います。ファムという名前と当時の女優メイ・ウェストのボディをイメージしたとされるボトルが表しているように、芳醇というか女性らしいふくよかで丸みのある香りです。
香りはミツコのピーチをプラムに変えたらこんな感じになるのではないかというもので、ミツコを陰としたらこちらは陽という感じです。隠し味のようにベースにあるのがレザーの香りで、これによってルドニツカの作った香りだとすぐわかります。資料によっては使われている香料にクミンが入っていたりいなかったりしますが、私にはあまり感じられません。
ファムの香りは、何も突出したところのないまろやかさと甘いあたたかさが特徴だと思います。ルドニツカが女性というものに対してどういうイメージを抱いていたのかが感じられます。
ミツコと同様、現行品はヴィンテージとは香りが違っています。気づいたら手元にヴィンテージがたくさん集まっていました。
明日に続きます。
Comments