表現

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私が優れたバレリーナだったと思う一人に、少し前に引退したウリヤーナ・ロパートキナがいます。研ぎ澄まされたテクニックだけでなく、品格が素晴らしかったです。

Uliana Lopatkina – Dying swan
瀕死の白鳥

ロシアの2大バレエ団はボリショイとマリインスキーですが、踊りの傾向が違っています。ボリショイバレエ団の人は自己主張が強い感じで、ポール・ド・ブラ(腕の動き)も派手な印象ですが、マリインスキーの人は洗練され抑制が効いた控え目な感じです。

ロパートキナは典型的なマリインスキータイプのダンサーでした。おそらく、彼女は気の遠くなるような地道でストイックな努力をされたと思います。得意とするレパートリーは抽象的な役で、例えば白鳥の湖やバランシンのジュエルズ(ダイヤモンド)の映像作品が残っています。

一方、イタリア生まれでイギリスのロイヤルバレエ団やアメリカン・バレエ・シアターなどにいたアレッサンドラ・フェリは、バレエ好きの人は「バレリーナ女優」として記憶しておいでではないかと思います。

フェリはロパートキナとは対照的なダンサーで、身体中から感情表現が溢れるように踊る人です。

動画はロミオとジュリエットのバルコニーのパ・ド・ドゥです。10代の初恋を身体表現にしたらこうなる、という感じです。

Romeo and Juliet – Pas De Deux (Ferri & Eagling)

このような表現力はおそらく天性のもので、練習したからといって身に付くものではないのではないかと思います。振り付け通りに踊っているのですが、まるでアドリブで踊っているかのように見えます。

フェリの映像作品としてはロミオとジュリエット(ロイヤルバレエのものとミラノスカラ座バレエのもの)のほか、ジゼルやこうもりがあります。YouTubeには椿姫の動画もあがっているようです。

ロパートキナとフェリは対照的ですが、どちらがより優れているというのではなく見る人の好みではないかと思います。

なお、フェリのWikipedia日本語版の記載は不正確で、2007年に一度引退された後舞台に復帰されています。現役のダンサーです。

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