父は麻雀が好きで、よく家に友人を呼んで徹夜で打っていました。私が大学生の時、麻雀くらいは出来ないと社会人になって困るからと言われて教わることになりました。
役と点数の数え方をいつまでたっても覚えないので怒られながらだったせいなのか、賭けないと上達しないからという理由で小遣いを巻き上げられていたせいなのかはわかりませんが、とにかく嫌だった記憶があります。
その時にわかったのですが、私はあまり賭け事そのものが好きではないようです。ポーカーのような偶然の要素があるゲームよりは、チェスのように実力で勝敗が決まるものの方が自分に合っていると思います。ですが、ゴルフでも賭けていた父に言わせると、囲碁のように強い方が勝つものは面白くないのだそうです。そのあたりは好みだとしか言えません。
両親どちらも賭け事の好きな家系なのか、母もよく「買わないと当たらない」と言いながら宝くじを買っていました。父方の祖父も麻雀が大好きで毎晩打っていたそうですし、母方の叔父は競輪や競艇に大金を注ぎ込んだと聞いています。
賭け事を楽しめる人は、楽観的な人なのではないかと勝手に思っています。自分が勝つかも知れないと思わなければ、賭けることはしないだろうからです。
私自身は、人生自体が運に左右されるギャンブルのようなものに思えるので、あえて賭け事をする必要性を感じないでいます。
これまでのところ、私にとって麻雀が社会で役立ったことは一度もなく、麻雀のルールを知ってよかった唯一のことは、阿佐田哲也の『麻雀放浪記』を楽しく読めたことです。賭け事としての麻雀というよりはいかさま麻雀の話ですが、とても面白かったです。映画にもなりましたが、小説の方をお勧めします。