イデオロギー

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大学では中国語が第二外国語だったのですが、語学の先生が天安門事件の翌週の授業をまるまる使って、当時の中国の現状を訴えていたことを思い出します。

それはつまるところ、共産主義あるいは社会主義というものが、いかにイデオロギーを利用して人民を抑圧・支配するものであるかということで、それについてはまったく異論はありません。

特に天安門事件以降、もっぱらといっていいほど自由主義経済や自由主義社会がいかに素晴らしいものか、ということが大学では言われていたように記憶しています。

経済学の分野では、マルクスやケインズが失墜してリバタリアンが台頭しました。

21世紀になってからも、例えば市場原理の導入による行政の効率化・民営化が唱えられました。皆が市場の洗礼を受ければ敗者は退場し、効率化が達成されるというロジックです。規制緩和によるイノベーションがもてはやされてもいました。

その結果何が起こったか。

出現したのはグローバル企業であり、人や物、情報の一極集中であり、格差社会です。

それらの結果を是とするのか、そうでないかは人によると思います。つまり、手放しでは受け入れられない人がいる。トマ・ピケティの書籍が読まれる程度には、市場原理主義に対して疑問を抱く人がいます。

そういう意味で、共産主義に限らず、資本主義(私有財産制プラス自由競争)も市場原理主義も普遍の真理ではなく沢山ある中の一つのイデオロギーです。

市場原理主義を唱える人が今回の新型コロナウイルス騒動をどう見ているのか、ということに私はとても関心があります。

参考: 市場の失敗 政府の失敗

 

 

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