人間の心に最も強く訴えるのは恐怖ではないかと思います。
恐怖心あるいは逆の安心感という感情を起こさせれば、人は何らかの行動を起こします。恐怖心(遠ざかる心)と安心感(近づく心)は危険なものから自分を守るための本能として備わっているからです。
それは、このところの新型コロナウィルスのパンデミックでも明らかでした。未知のウィルスに対する恐怖から、イソジンが効くかも知れないと聞けば買い占め、あるいは感染者の家に投石するような行動が起こり、親しい人に感染させるかも知れないと言われれば外出を自粛する。
その二つを同時に起こさせるような存在がある場合、その人の中で矛盾と葛藤が起こり、精神が破綻に至ることがあります。
その典型例が、虐待をする親・毒になる親です。
時には恐怖を感じさせ、時には安心感を感じさせる存在。
あるいは、同時にその二つを感じさせる存在。
そんな親との関係性で心の中に矛盾や葛藤を押し付けられた子供は、人間関係全般から逃避したり、健全な関係を築くことが出来なくなったりします。行動がおかしくなるのです。
更に、無自覚かどうかは別として、恐怖心と安心感を利用して人を操ろうとする人がいます。それが人格障害です。
恐怖は本能的なものなので、一旦それを感じると払拭が難しいです。そして恐怖心に駆られた人は、文字通り何でもしてしまうことがある。
そのような親の影が心の中にある人は、意外と多いような気がしています。
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