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昨日の続きです。

オペラは歌とストーリー(劇)両方あって初めて成り立つものですが、どうしても人はストーリーにとらわれる部分があるような気がします。例えば「フィガロの結婚」がよく上演されるのは、登場人物がお互い策略を巡らしていたり貴族を風刺していたりするストーリーが好まれるからではないかと思います。

モーツァルトに限らず、「椿姫」「カルメン」などの有名なオペラはまずストーリーありき、という印象です。

そのような意味で、モーツァルトの4大オペラの中で最も過小評価されているのは「コジ・ファン・トゥッテ」ではないかと思います。あらすじは、2人姉妹の恋人達が彼女らの貞節を疑い、嘘をついて出征したと思わせ、変装して戻って来て逆の相手を口説き落としたところで正体をばらす、というものです。このたわいもないとも悪趣味とも言えるストーリーに、完成度が高く美しい曲がついている、そんなオペラです。

例えば、三重唱「風よ穏やかなれ」に天国的な美しさがあって、賛美歌「アヴェ・ヴェルム・コルプス」に通じるものがあります。

舞台演出を含めてオペラだと思うので、DVDなどの映像で「見る」方が私は好きなのですが、「コジ・ファン・トゥッテ」だけはCDで聴く方がいいような気がしています。リンクした動画も、コンサートで歌われたものです。