再現

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くちなしの花が咲いていると、思わず香りに引き寄せられてしまいます。

香水好きが高じてマニアなってしまっている私ですが、香水には2種類あって、花などの実在の香りの再現を目指すものと、それらとは無関係あるいはそれらを再構築することを目指すものがあると思います。数はもちろん後者の方が多いのですが、前者には根強い人気があって、例えばトムフォードの香水でもネロリの香りを追求したものがあったりします。

いずれにしても、薔薇やジャスミンと並んでくちなしの花はよく香水に取り上げられるものだと思いますが、生の花の香りを嗅ぐと、やはりそれに優る香水はまだないと言わざるを得ません。

ガスクロマトグラフィーを使って花の香りを再現したという香水があったように思いますが、花の香りを構成する分子の中にはまだ見つかっていないものもあると思いますので、完璧な再現にはまだ遠いと思います。

ですが、仮に完璧な花の香りの再現が出来たとしても、それを香水として身につけた時にどうか、ということについては一考を要するような気がします。花の香りは花からする方が自然だからです。

ちなみに、くちなしの香りと近い香りはチュベローズの香りで、くちなしよりもクリーミーで濃厚な感じのする香りです。両方を使った香水もありますし、嗅ぎ分けは難しいかも知れません。ロベール・ピゲのフラカは、くちなし・チュベローズ系の香水の最高峰ではないかと思います。

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