以前、仕事でメガバンクの内部資料を沢山目にする機会がありました。今はどうかわからないですが、稟議書というのか、押印する欄があってペラっとした内容の薄い文書でも名前と印が10近く並んでいたことが印象的でした。
押印にはその文書について共同責任を負う、あるいは内容を承認したという意味があるのだと思いますが、そのようにずらっと並んだ中にはいわゆるめくら判がある可能性も十分にあります。
その後、今の職場に入ったら押印を求められることが多くて驚きました。さらに、それがシャチハタ印でも誰も気にしないことに再度驚きました。
法律的に押印がどんな意味を持っているか学んでいたので、特にそう思うのかも知れませんが、シャチハタ印のようなスタンプ式のものは正式なところには使わないものだと思っていたからです。
稟議書の複数名の押印は共同責任というと聞こえはいいですが、結局それは形式主義というのか事なかれ主義で、責任を薄める意味しかないように思えます。
リモートワークになったのに、書類に印を押しにわざわざ行かなければならなくなったりするので、早くそのような慣習がなくなればいいと思います。ただ、個人的には印鑑文化自体は好きで、書道部にいた時には自分の落款を作ろうかと考えていました。
署名と印鑑のどちらが偽造しやすいのかはわからないですが、偽造しにくい電子署名もあるのにオンラインで完結しないのは紙の無駄遣いでもあり困ったことです。
なお、日本の法律の原本にはすべて天皇の御名御璽があります(憲法の定める天皇の国事行為に法律などの公布がありますが、御名御璽に法的根拠はなく慣習です)。
御璽・国璽 - 宮内庁
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