時間

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以前、好きな映画監督の中にクリストファー・ノーラン監督がいるということを書きました。

この監督は時間をテーマやモチーフにした作品が多く、最初の監督作品フォロウイング、メメント、インセプションなどはいずれもそうした作品です。

その中でインセプション以外は時間を断片化して順序をバラバラにする手法で映画を作っているので、1回見ただけではストーリーが掴めず、何度か見てようやくそういうことだったのか、とわかるものでした(DVDなどの映像ソフトでは、特典として時系列順に再生出来るようになっていたと思います)。昨日書いたように私は帰納的な思考が苦手なので、特に難しく感じるのかも知れません。

インセプションは時間以外に夢もモチーフになっている作品で、夢、夢の中で見る夢、その中で見る夢…と入れ子構造になっていて、その中に入り込むほど何故か相対的に時間の進み方が遅くなるという設定でした。

先日最新作のテネットの映像ソフトを見たのですが、ある装置を使うとその人や物の時間が逆に流れるという設定で、特に普通の時間の中に逆向きの人や物が現れて、それぞれ交錯するシーンが連続していたためか、映画では描かれていない部分の時間が存在するためか、これまでで最も理解するのが難しく感じました。2〜3回見て大体のことは把握したのですが、まだ完全にはわかっていない感じがします。ですが、普通の時間の流れの中に時間が逆方向の人や物がもしあったとしたら、確かにこう見えるだろうと納得してしまう正確さというのか緻密さがあります。相当労力と時間をかけて映像を作ったのでしょう。

ノーラン監督はバットマンなども撮影していて知名度が高いですが、もしかしたら見る人を選ぶ監督なのではないかと思います。特に、何も考えずに映画を楽しみたい人にはあまりお勧め出来ないと思います。

また、IMAXやフィルム撮影にこだわったり、可能な限りCGを使うのではなくて実写することにこだわったりと、独特のポリシーがあるようです(今の映画にはフィルムで撮影された映画はほぼないので、デジタルではなくてフィルムを使って撮影した映像は一目でわかる感じですが、IMAXは劇場の大きなスクリーンで見ないと違いがわからないような気がします)。

そしてご本人が真面目な人なのかどうかはわかりませんが、これまでの作品中でユーモアというのかジョークというのか、くすっとでも笑えるセリフやシーンがただの一度もないです。そもそも無駄に感じるようなセリフやシーン自体がありません。つまり最初から最後までずっとシリアスなシーンが続いていて、少しでも目を離すとストーリーがわからなくなってしまう可能性がある映画ばかりなので、見ていて疲れることは確かです。

ですが、謎解きが好きな人には是非お勧めしたいと思います。

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