結末

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先日は、村上春樹について好きでもないのに勝手なことを書きました。最近はフィクションをほとんど読まなくなっているので、見当外れなことを書いたかも知れません。

では日本人作家では誰が好きなのかというと、とりあえず存命の人の中では花村萬月と山田詠美をあげようと思います。ですが、どちらについてもあまり熱心な読者ではなく、特に花村萬月は多作なのでもしかしたら読んでいない作品の方が多いかも知れず、むしろ村上春樹の作品の方が読んだ分量は多いと思います。

花村萬月については、『王国記』を熱心に読みました。書店で何気なく手にしただけの『ゲルマニウムの夜』を読んだとき、宗教をこれほど突き詰めて捉え、突き放して扱うことが出来る日本人作家がいることを知り、とても驚いたことを覚えています。それは、同じように宗教がテーマの一つであった村上春樹の『1Q84』と比較すれば明らかではないかと思います。『1Q84』に描かれた宗教は観念的というかあえて陳腐なものとして描写されているようですが、『王国記』に出てくる宗教には血が通う肉体があるという感じです。

性描写にしても暴力の描写にしても、『王国記』の花村の描写力は彼の他の作品と比べてよりリアルに迫っているのではないかと感じます。私には文学的素養も宗教的教養もないので、人間の暴力性をこれでもかと描写する迫力について説明する言葉が出て来ず、一度読んでみて下さいとしか言えません。

ただ一つ、全9冊にも及ぶ物語の終わり方が呆気ないというか、それまでの描写とかけ離れているように思えたので、読み終わってから何度も作者の意図がどこにあるのか考えました。例えて言うならば、シリアスな長編映画のラストシーンだけが実写でなくアニメーションだったという感じです。あえてそのようにしたということだと思いますが、それが読者サービスなのか韜晦なのかいくら考えても結論が出せないままで、今でも時折考えてしまいます。

いずれにしても、花村萬月はプロ意識が高い人で、読者を退屈させることがないことも日本人には珍しいかも知れません。

山田詠美については今読んでいる途中の作品があり、それを自分の中で消化してから書こうと思っています。

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