不安

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センター試験の時期になるたびに思い出すことがあります。それは自分が受験した時のことです(今年から共通テストという名称ですが、私が受けた当時は共通一次と呼ばれていました)。

当時住んでいた家の近くの東京学芸大学で受けることになったのですが、私の通っていた高校の生徒は当時私立大学や短大に進学する人がほとんどで、クラスメイトで国公立を受験する人は2〜3人しかいませんでした。そのためなのだと思いますが、同じように共通一次を受けるクラスメイトも私も何となく心細いので、同じ試験会場だとわかった人たちと最寄りの駅で待ち合わせして一緒に行く約束をしました。

ところがそれを知った父は烈火のように怒って、駅まで行くのは遠回りで時間の無駄だからやめろと言いました。

確かに当時私が住んでいた場所だと、一旦駅に寄るよりも直接試験会場に行った方が早いのは明白でしたが、父が怒るほど時間が余計にかかる訳でもありませんでした。

ですが、日頃から父が言うことに従わないと火に油を注ぐようになって、それ以上に時間の無駄になることを知っていたので、彼女たちに電話して(当時は固定電話くらいしか通信手段はありませんでした)行けなくなったと謝った覚えがあります。

父としては少しの時間も惜しんで試験勉強をして欲しかったのだと思いますが、共通一次を受験すること自体も不安ですし、行ったことのない場所に行かなければならないので、同じ行き先のクラスメイトと一緒に行こうということがそれほどおかしなこととも思えず、何となく納得出来ませんでした。

結局、同じ試験会場であっても受験する部屋が違うので、彼女たちと顔を合わせないまま2日間の試験が終わりました。もしも今ならばお互い別のところにいても連絡を取り合うことが出来ますが、上記のように当時はそんな手段がなかったのです。

2日目に帰宅する時に、1人で陸橋から見た夕陽に照らされた富士山(当時はまだよく見えました)が真っ白だったことを何故か鮮明に覚えています。

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