一時期肌の調子があまり良くなくて、多くの化粧品を試していたことがあります。
何でも突き詰める傾向があるので、この際いわゆる「自然派」の生活をしてみようと思いつき、手始めにそれまで使用していたシャンプーやボディソープを石鹸に変えてみたことがありました。化粧品なども、「ケミカル」なものは使わないようにしました。
合成界面活性剤の製品に比べてある程度使用感が劣ることは、予想していました。例えば石鹸シャンプーを使うと、アルカリを中和するために酸性のリンスを使わなければならず、髪の艶や手触りが若干良くなくなった感じになりましたが、それは仕方ないことだと思います。
ですが、それからしばらくして身体中に吹出物が出て、皮膚科に通うことになってしまいました。石鹸は私にとって脱脂力が強過ぎたため、皮膚が乾燥した結果のことです。
この失敗で分かったことは、何事もほどほどに…というのか、「自然」と「自然派」とは異なる概念であるということと、「自然」と「人工」どちらが優れているかという二項対立では見落としてしまうものがある、ということでした。
例えば、「薬には副作用があるから飲みたくない」という意見はもちろん一考に値します。ですが、今の人間が縄文時代の人類よりも健康で長生き出来るのは、確実に農業や医学(人工)の進歩のお陰です。
考えるべきなのは、薬を飲む(人工)か飲まない(自然)かではなく、主作用(飲むことによるベネフィット)と副作用(飲むことによるリスク)を秤にかけてどちらを選択するか、ということでしょう。
文系だったので、理系的な思考のトレーニングを受けていないことがとても残念です。理系の人にとって当然のことでも、私には直感的に把握することが難しい。
失敗の発端となった肌の調子については、素人考えですがおそらく洗顔が最も大きなファクターであって、何を顔につけるかよりも何を使って落とすかが重要ではないかと思っています。
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