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昨日の続きです。

私が最も好きなタイプの香水はシプレですが、個人的にはシプレはクラシックな固い感じのする香りです。特にヴィンテージというのか古い時代に調香されたもの(香水の歴史は長いのですが、一般大衆に向けて販売されたのは1800年代の終わりくらいからですので、古いといっても知れていますが)は、一本筋が通っているというのか、奥ゆかしいというのか、青い感じや苦い感じもします。香りを嗅ぐと、ヨーロッパの古くて大きな屋敷の(カビの生えかけた)ペルシャ絨毯が脳裏に浮かびます。カビの香りとコケの香りは近いからかも知れません。ともあれ、シプレは今どきの香りではまったくありません。シプレという名前は、コティというメゾンが作ったル・シープル(英語ではサイプレス:糸杉)という名の香水がシプレタイプの初めての製品だったからだということです。

シプレはシプレフローラルとシプレフルーティ(フルーティシプレ)に細分されますが、私が好きなのは後者です。よって、フルーティシプレに分類される香水を集めています。昨日シプレの代表だと書いたミツコには桃の香りが含まれていますので、フルーティシプレの代表作のようなイメージです。日本人女性の名前がついているので(つづりはMitsoukoです)、昔海外旅行のお土産で貰ったことがあるという人も多いかも知れません。フローラルシプレの有名な香水は、オリジナルのミス・ディオール(1947年)ではないかと思います。

余談になりますが、ネットで中古の香水をたくさん売っているセミプロのような人が「ミツコはいい香りなのにあまりに値段が安くて、扱っていて(ミツコに対して)申し訳なくなる」と言っていたことを覚えています。今どきの香りではなく、それに加えて日本にゆかりがあることから、ヴィンテージのミツコは確かに日本市場に溢れていて、濃度の高いパルファムでも投げ売りされている印象です。

明日に続きます。

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